足場作業でフルハーネス型安全帯を装備するのは、
今や“当然”のことだ。
だが現場には、
「作業しにくい」「邪魔だ」
という理由で、装着したがらない職人が一定数いる。
危険度が低い作業のとき、
「まあ今日はいいか…」
と目をつぶりたくなる気持ちも分かる。
でも俺は言いたい。
“危険が少ない時こそ、ちゃんとつけてくれ。”
その理由は、
「危ないから」だけじゃない。
“第三者に見られた瞬間、責任を取らされるのは管理側だからだ。”
この記事では、
職人がフルハーネスを嫌がる理由、
それでも装着してほしい本当の理由、
そして管理側が背負っている“見えない責任”を
俺視点で分かりやすく解説する。
なぜ職人はフルハーネスを嫌がるのか
① 作業しにくい・動きにくい
フルハーネスは肩・腰・太ももにベルトがかかる。
慣れていない職人ほど、
「動きにくい」「邪魔だ」と感じる。
② 重い・暑い
夏場は特に地獄。
汗でベルトが張り付くし、蒸れる。
③ “ちょっとした作業だから”不要と思う
「2分で終わる作業にハーネスなんていらねえよ」
こういう心理は現場あるある。
④ 昔はこんなのなかったという意識
ベテランほど、
「昔は腰ベルトだけで十分だった」
という価値観が残っている。
危険が少ない時でも装着してほしい理由
危険は”ゼロ”にならない
足場は常に落下リスクがある。
たとえ低い場所でも、
- 足を滑らせる
- 材料に乗ってバランスを崩す
- 他業者にぶつかる
こういう事故は普通に起きる。
慣れが事故を呼ぶ
「今日はいいか」
「この作業だけなら大丈夫」
この“油断の積み重ね”が一番危ない。
俺は職人時代、
「危ない作業の時だけつければいい」
と思っていた。
でも管理になって気づいた。
“危ない作業は、いつ始まるか分からない。”
第三者に見られた瞬間、管理が責任を問われる
ここが俺が一番伝えたいポイントだ。
現場には、
- 元請けの安全パトロール
- 監督
- 近隣住民
- 通行人
- 会社の上層部
誰がいつ見ているか分からない。
そして、
見られた瞬間に責任を問われるのは管理側だ。
「なぜ装着させていない?」
「安全管理ができていない」
「是正書を提出してください」
こうなる。
2m未満は適用外でも“見た目”でアウトになる
2m未満の高さでは、法律上フルハーネスの適用外だ。
だから職人は外したがる。
だが兄貴は、
適用外でも装着してほしい と強く思っている。
理由はひとつ。
“見た目の問題で、第三者に見られた瞬間に管理側が責任を問われるからだ。”
法律上は問題なくても、
「安全帯をつけていない現場」
という印象を持たれたら終わりだ。
- 元請けからの指導
- 現場停止
- 報告書の提出
- 管理者の評価低下
こういう“見えないリスク”が一気に降りかかる。
現場全体の評価が下がる
一人の不装着が、
現場全体の信用を落とす。
元請けはこう思う。
「この現場、大丈夫か?」
たった一人の行動で、
現場の空気が変わる。
管理側が背負っている“見えない責任”
職人には見えないが、管理は常に
“安全管理義務” を背負っている。
- 元請けからの指導
- 是正書の提出
- 写真報告
- 安全書類の修正
- 会社への説明
- 最悪、現場停止や出入り禁止
俺は言いたい。
「お前を守るためでもあるし、
俺たち管理を守るためでもあるんだ。」
俺が現場で実践している“つけてもらう工夫”
理由を説明する(怒鳴らない)
「危ないからつけろ」ではなく、
「見られたら俺が責任取らされる」
と伝えると理解してくれる。
つけてくれた職人には必ず声をかける
「ありがとうございます!」
この一言で現場は変わる。
現場の“当たり前”にする
最初の1週間が勝負。
習慣化すれば誰も文句を言わなくなる。
まとめ
フルハーネスは“安全”だけじゃなく“信頼”を守る装備だ。
フルハーネスは、
- 自分の命を守る
- 仲間を守る
- 現場を守る
- 管理の責任を守る
- 現場の信用を守る
ただの装備じゃない。
改めて言わせてもらう。
「危険が少ない時こそ、つけてくれ。
それが“プロ”だ。」
吉塚|遠回りキャリアの施工管理
保育 → 営業 → 防水職人(8年) → 施工管理。
現場で胸を張って働くための“プロ意識”を発信中。
職人と管理の両方を経験した視点で、
若手・未経験者にも分かりやすく現場のリアルを届ける。
